下郷富士男
下郷接骨院
【患者】
73歳 女性
【主訴】
・右上腕中より指先までのTyIII-TxIIIの強い痛み
・動作時に電撃痛。痛みのため肘、手関節、指関節を動かせない。
【初診時所見】
外観に大きな変化は認められない
激痛により苦痛の表情
【現病歴】
58歳時、左関節痛にて来院、1ヶ月通院
【既往】
40歳 高血圧 高コレステロール
入院、手術等なし
【治療・服薬】
高血圧 高コレステロール
【遠絡医学的分析】
CRPS様の痛みであり、陽経陰経両面に痛みがあるので、区域的CRPSと判断した。
区域的CRPSの治療を試みたが痛みに変化はなかった。次に胸椎3,4 のSC の治療を試み
たが変化はなかった。
背診にて、L3,4,5,部の膨隆を認める。以前、手根管症候群の患者さんを治療したとき、TyIII-TxIII 手関節-肘関節まで痛みの出ていた患者さんがいたので、その経験から手根管症候群のCRPS化したものと判断、SC L4,5 に対する治療を行うことを決定した。
【処方式】
① To/L4,5
② rAyIII/L4,5/L4,5
③ rlAxIII//6/3!
【治療後の変化】
初回にて自発痛、運動痛は半減した。
痛みは残っているが、全部の関節は動く。
【経過】
約2週間、5回の治療にて完治したが、その2週間後、右手関節より拇指の痛みと腫れで来院。TyI-TxIの手根管症候群と判断し上記と同内容を処方した。2回の治療で終了した。
【感想・考察】
柯先生より教わったSC L4,5の特徴と少し異なる様に思われるが、手根管症候群は L4,5由来であるので手関節を中心に考えて手関節のTyIII、TxIIIの痛みが上腕まで達したものと思われる。
この2か月後、左上腕中より小指TyIII、TxIIIの同様な痛みを訴える男性の患者さんが来院した。背診にてL4,5の膨隆を確認し同様の治療を行い2回の治療にて終了した。