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診断学講座(解説付き)

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手掌・手背の痺れ、左前腕の突っ張り感、左下腿の感覚鈍麻



症例


34歳 女性

主訴 

① rTyII、rTyI、rTxI /a+b+c+dの痺れ

② lAyII/3の局所的な感覚鈍麻(触覚低下)

③ lTyI/a、lTxI /a+2+3の突っ張り感

【経年齢的病歴】

14-15才から

:片頭痛、冷え症、多汗症(脇、両手)、肩こり、甘いものを好む。

17才

:花粉症,時に生理痛

20才代

:噛み合わせが不良(時に)顎関節症

頚部の痛み(後屈は可能であり,後屈時の痛みはない)

22才

:卵巣嚢腫の手術(経過良好)

20才代

:時に動悸

33才8月

:朝起床時急に突然①の症状出現。

34才5月

:突然②の症状出現。感覚鈍麻(触覚低下)であり①の症状とは相違。

34才6月

:③の症状が出現。突っ張り感(握力はいいが脱力感がある)

7月

:上記症状で体がだるく,横になることが多くなった。イライラ感が出現

【初診時の状態】

自覚症状による肩こりとイライラ感,不安感がある。

【処方】

To/2dc+a+T2~4+L2~S1

AyIII//6/3!

AxII//6/3!

【治療後の変化】

① の症状: NRS 10→8(直後)→10

② の症状: NRS 10→7

③ の症状: NRS 10→10



病態分析


・片頭痛:AtlasのSCの炎症

・冷え症

 :視床下部[前後両側](AtlasのSN・AyIIIが圧迫され上から下の流れが悪化、間脳の細胞蓄積 (Atlasの神経線維の不完全圧迫))

・多汗症(脇,両手):SC(T2~T4)

・肩こり:副神経(Ⅺ)

・頚部の痛み(後屈可能,後屈時の痛みない):両側でありSC

・甘いものを好む:顔面神経(VII)

・花粉症:脳下垂体(細胞蓄積症錠)

・生理痛: 

  1.下垂体(細胞蓄積症状)→(子宮発育未熟)→血管剥離の痛み

  2.視床下部(神経線維不完全圧迫)→(SC2.3)→子宮の痛み。

・噛み合わせ不良:顎の筋肉の強弱(副神経Ⅺ) (顎関節症)

・卵巣嚢腫:脳下垂体→SC2.3→SN,

・動悸:視床下部(細胞蓄積症)、孤束核、迷走神経(T8~10)

・rTyI/a+b+c+dとrTxI/a+b+c+dの痺れ:SC(L2-4)

・rTyII/a+b+c+d:SC(頸椎)

・lAyII/3の局所的な感覚鈍麻 (触覚低下):SC(L2-4)

・lTyI/a+2+3、lTxI/a+2+3の突っ張り感:SC(L2-4) 区ででている。

・イライラ感:視床下部(細胞蓄積症状)




Dr.Koの解説


[1] AyIIの下腿のみの痺れは区で出現しているので、SCの障害。それはSNが完全遮断から痺れがでる。AxIIIであれば陰経の痺れが出、AyIIIになると陽経の痺れが区で出現する。

下肢であれば、AyII→AyIの順に痺れがでる。陰経がでるのはSCからAxIIIになる。


[2] 頭痛は大きく3つに分類される。

(1)血管性頭痛(片頭痛・群発性頭痛)(2)筋収縮性頭痛(3)頚性頭痛 である。その治療法 は,(1)血管性頭痛は,まず ①AtlasのSCの炎症であるためTo/2d+c+aを行い,次に剪定法としてAxII/dの補強を行う。(#痛みは虚症だから補強がいい。dに対して補するといい。)(2)筋収縮性頭痛は副神経中心であり延髄だから2d+c+a を行い剪定法としてAxIII/dの補強を行う。(3)頚性頭痛:rAyII中心(AyIIIからAyIIに行く)。AyII/dの補強を行う。


[3] 多汗症:糖尿病と同じ考え方でいい。汗腺のセンサーの障害と考える。SC→SN(T2-T4の交感神経が優位)の障害。


[4] 顔面神経に関して。顔面神経は主に深部感覚神経であり4枝に分けると分かりやすい。

図1を参照。その注意点:後耳介部分の触れない痛みは三叉神経痛ではなく顔面神経によるものである。


[5] 噛み合わせ不良は顎の筋肉であり副神経(Ⅺ)の障害である。一方疑核(Ⅸ,X)による障害は全身の括約筋に影響を与えることを考慮にいれること。因みに全身の括約筋は次のごとくである。

括約筋

①  瞳孔を狭める瞳孔括約筋

②  上部食道括約筋

③  胃噴門部の下部食道括約筋

④  胃の幽門部の幽門括約筋

⑤  オッディ括約筋(乳頭括約筋)(胆膵管膨大部括約筋:総胆管及び膵管の出口)

⑥  内尿道口の尿道括約筋(膀胱括約筋)

⑦  肛門の内側括約筋、外側括約筋


[6] 痺れと麻痺の区別。 患者さんは麻痺も痺れと訴えることがありその鑑別が重要となってくる。その鑑別は図2を参照されたい。


[7] 女性の三大症状:①片頭痛、②生理痛、③冷え症。これらを観た場合、その原因には2つ考える必要がある。すなわち(1)お産時のAtlasの障害か、(2)母と体質が似ているためか(遺伝;内分泌の影響)(陰陽両虚の体質か?) を考える。鑑別には他の症状の有無を調べる。例えば多汗症や甘い物を好むなどのAtlasの症状を併発していれば、この3大症状の発現機序は生下時のAtlasの障害である。母の体質が似ていれば(陰陽両虚:相対的実の症状はない、下痢や多汗はない。肩こりも存在するが自覚していない、などの症状を持っている)、母からの遺伝である。
















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尚志塾士による病態分析と解説

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